日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(60)が、欧州遠征を「意見集約合宿」にする。10月15日の東欧遠征ベラルーシ戦後に「11月の欧州遠征までで、戦い方に対する選手の意見をまとめてほしい」とリクエストを出していたことが判明。今遠征が意見を集約する場となる。

 11日午前、指揮官は柔和な表情で成田空港発の航空機に乗り込んだ。10月の東欧遠征ではW杯不出場国に無得点で2連敗。細かいパスを駆使した攻撃サッカーにこだわり、不発に終わるパターンが続いていたが、その現状を打破すべくメッセージを出していた。

 ザッケローニ監督は「日本人の特徴である技術力、スピードを高めてゴールに迫っていかなければならない」と断言。ただ、チーム内には理想を追求する選手がいる一方で、「結果」という現実を求める選手も増えてきており、選手間の意見交換も活発化している。

 今月の強豪との2連戦を終えると、次の代表活動は来年3月5日の国際Aマッチデーまでなく、その後はW杯直前の合宿となる。選手選考こそ大会直前まで熟考する方針を示したが、チームとしての方向性だけは、この2連戦で選手の意見を集約して定めていく。

 7日のメンバー発表会見では「選手間で意見が出ることはポジティブだが、最後に方向性を決めるのは私」と話していたザッケローニ監督。W杯まで7カ月。オランダ戦、ベルギー戦がチームづくりのターニングポイントになりそうだ。【菅家大輔】